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メディアアンケート調査 ~コロナ禍における企業広報からの情報提供のあり方~

オンライン取材の定着、メディアも評価
情報の充実図り、「今後も継続すべき」
コロナ収束後は「対面との併用」対応を

新型コロナウイルス感染症の流行をきっかけに、メディアに対する企業広報からの情報提供のあり方が大きく変わっています。オンラインでの情報提供が増加している一方で、その手法や内容については、メディア側のニーズとの間にギャップがあるのではないかとの声も聞かれます。そこで、コスモ・ピーアールでは12月21日~23日に、日頃コンタクトさせていただいているヘルスケア領域をカバーするメディアの皆様を対象に「コロナ禍における企業広報のメディアへの情報提供のあり方に関するアンケート調査」を実施させていただき、第一線で活躍されている15名の記者の皆様から回答をいただきました。来年以降、どのようなアプローチがベストなのか、またどのようなトピックに記者の皆さんが関心を持っているかなど、今後の企業広報のあり方を考える際のヒントとなる示唆を得ることが出来ました。

所属媒体内訳=全国紙4、通信社1、業界紙1、医療従事者向け媒体3、一般雑誌1、テレビ1、ウェブ媒体8(複数該当者有)

以下、アンケート調査結果の概要をご紹介します。

■コロナ禍でオンラインでの取材が定着

アンケート調査ではまず、緊急事態宣言後の企業への取材実績を聞いたところ、記者発表会やメディアセミナーでは9割以上、インタビュー取材では8割のメディアが「全てがオンライン取材だった」または「ほぼオンラインでの取材だった」と回答、企業側が緊急事態宣言後に感染拡大防止策として、対面からオンラインでの情報提供に一斉に切り替えた状況が伺えました
ヘルスケア領域をカバーするメディアにとって重要な取材対象である、医師や患者さんへの取材はどうだったのでしょうか?医師への取材では、該当する10メディアのうち9メディアが「対面による取材が困難となり、オンライン取材がメインとなった」と回答しました。また、患者さんへの取材については、該当する7メディアのうち3メディアが「取材そのものが出来なかった」、4メディアは「対面取材が困難となりオンラインでの取材がメインとなった」と回答。いずれも、対面の取材が困難となり、オンラインの取材に切り替えられていることが明らかになりました

それでは、メディアにとって対面からオンラインによる情報提供に変化したことで、良かったことは何だったのでしょうか。アンケート(複数回答)では「移動時間が削減できる」(87%)、「より多くの取材が可能になる」(67%)、「記事執筆が効率化される」(27%)などが挙げられました。また「気軽に質問できる」、「遠方のセミナーにも出席できる」という声も聞かれました。逆に悪かったこととしては「名刺交換ができない」(60%)、「ぶらさがり取材ができない」(60%)、「写真撮影ができない」(53%)、「質問がしにくい」(47%)、「回線が途切れることがある」(40%)などが挙げられました。

次に、今後、対面での取材がしやすい状況になったとしても、企業はオンラインでの情報提供を継続すべきだと思うか質問したところ、15メディア中13人(87%)が、「継続すべき」と回答しました。主な理由は「取材の効率が良い」、「移動時間の削減」、「取材できる範囲が増える」などで、対面取材に比べて劣る面はあるものの、緊急事態宣言後、一斉にオンライン取材が定着した結果、メディアの皆さんもそのメリットを十分評価するようになってきたことが分かります

 

■「対面」と「オンライン」、併用の時代に

さらに、インタビュー取材とセミナー取材で、対面とオンラインの両方が選べる場合、どちらを選ぶかという質問に対して、インタビューでは「対面の方が相手の状況を把握して取材しやすい」「相手の表情や口調なども情報」「顔を覚えてもらえる」などの理由で「対面」が40%、「どちらでも」が60%、セミナーでは「発表者、参加者の反応が分かりやすい」「質問しやすく追加の取材もしやすい」などの理由で「対面」が33%、「名刺交換以外は不便を感じない」などの理由で「オンライン」が40%、「どちらでも」が27%という結果となりました。インタビューでは「対面」を、セミナーでは「オンライン」を選ぶメディアが多くなっていますが、インタビュー、セミナーともに「どちらでも」を選ぶメディアもかなりいることが注目されます。理由を聞くと、「必要に応じて選択したい」、「どちらにも良さがあるので、それを生かしたい」、「時間と場所、取材対象者による」、「記事化するなら対面で、聞くだけならオンラインで」など、「どちらでもよい」というより、「取材方法を自らの判断で選択出来るよう幅を持たせたい」というメディア側のニーズが感じられました企業広報としては今後、コロナが収束しても、単に対面取材に戻るのではなく、オンライン取材を併用し、選択の幅を広げて、メディアに提供することが求められているのではないでしょうか。

■オンランセミナーのベストな開催時間や資料提供のタイミングは?

今回のアンケート調査では、オンラインセミナーのあり方に的を絞り、いくつかの実践的な質問も試みてみました。その結果、①オンラインセミナーの開催希望時間帯は14時~16時が最も多く(33%)、次いで12時~14時、16時~18時が20%、②所要時間の希望としては、1時間が圧倒的(73%)で、1時間半が20%、③オンラインセミナーにおける質疑応答の形式としては、「チャット(コメント非表示、主催者のみ閲覧可)形式を希望」が一番多く53%、次いで「発言権をもらい音声で直接質問」が40%、④セミナーでの配布資料の入手タイミングの希望は、「1日前にメールで」という回答が最も多く47%、⑤講演資料以外にあると良いと思う資料は、上位から順に演者の顔写真(60%)、当日のセミナー動画(47%)、演者発言録(40%)、演者略歴(27%)―などの回答を得ることが出来ました。

■2020年注目したトピックはコロナ、がん、デジタルヘルス。2021年も傾向は変わらない見込み。

最後に、各メディアが2020年に注目したヘルスケアトピック、2021年に注目しているヘルスケアトピックを3つ選んでいただきました。
新型コロナウイルス感染症(治療薬、ワクチンなど)がトップに来るのは当然ですが、コロナ禍での規制緩和が契機となり、今後我が国においても急速な拡大が期待される領域であるオンライン診療、デジタルヘルスに高い関心が示されました。また、がん医療に対する関心も依然高く、他にも遺伝子療法、再生医療、難病・希少疾患、生活習慣病(糖尿病、高血圧など)など、コロナ後を見据えて幅広いトピックに関心が寄せられていることが明らかになりました。(詳細は、グラフを参照ください)

広報としては、今後もメディアの関心領域を継続的にモニターすると同時に、記者の皆さんとのコミュニケーションを通じて、きめ細かい情報提供のあり方を引き続き模索していく必要があると思われます。本レポートがその一助となれば幸いです。

【自主調査概要】
調査件名:コロナ禍における企業広報のメディアへの情報提供のあり方に関するアンケート調査
調査日:2020年12月21日(月)~2020年12月23日(水)
調査方法:インターネット調査
調査対象:ヘルスケア領域をカバーしている記者 15名
所属媒体内訳=全国紙4、通信社1、業界紙1、医療従事者向け媒体3、一般雑誌1、テレビ1、ウェブ媒体8(複数該当者有)

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本年も、関係各所の皆様には、大変お世話になりました。
COSMO HEALTHCAREでは、より良い医療の実現に向けて、広報・コミュニケーションを通じて、今後も課題解決に取り組んで参ります。来る2021年も、何卒、よろしくご指導、ご鞭撻のほどお願い申し上げます。

追伸: 弊社は12/28-1/4まで冬季休暇となります。1/5より通常営業いたします。


(注)本ニュースレターは、コスモ・ピーアールが独自に実施したアンケート調査の結果をもとにとりまとめたものです。調査内容に関するお問い合わせはCBS@cosmopr.co.jpまでお願いいたします。

岩下裕司メディアアンケート調査 ~コロナ禍における企業広報からの情報提供のあり方~