―第1回 COSMO Innovation Seminar 開催報告―
新型コロナウイルス感染症をきっかけに、さまざまな分野でのデジタルトランスフォーメーションが加速する中、ヘルスケア分野においては、オンライン診療、アプリ治療、デジタルデバイスを利用した健康管理「デジタルヘルス」の活用に期待が寄せられています。本年4月からは、初診からのオンライン診療が解禁となり、7月に決定された政府の骨太方針2020では、「電子処方箋、オンライン服薬指導、薬剤配送によって、診療から薬剤の受取までオンラインで完結する仕組みを構築する」ことが明記され、この流れはさらに加速することが予測されます。
このような状況を踏まえ、COSMOヘルスケアでは10月30日に第1回COSMO Innovation Seminarをオンラインで開催。デジタルヘルスの現状と展望について、日本およびグローバルの動きに詳しい専門家をお招きし、講演、パネルディスカッション、質疑応答を通じて、デジタルヘルスへの理解を深めていただきました。
以下、同セミナーの概要をご報告します。(文中での敬称は略させていただきました)
尚、当日のウェビナーの様子は、COSMO HealthcareのYouTubeチャンネルでご覧いただけます。
講演1 「日本における遠隔医療・デジタルヘルスの課題と展望」
加藤浩晃(デジタルハリウッド大学大学院客員教授)
■遠隔医療の現状
まず始めに、最近注目されているオンライン診療について簡単に整理しておきましょう。遠隔診療あるいはオンライン診療というのは、「医師と患者の間において情報通信機器を通して患者の診察及び診断を行い、診断結果の伝達や処方等の診療行為をリアルタイムで行うこと」で、対面での診察がオンラインに変わったものであり、1)医師とテレビ電話で話をする、2)薬の処方もしてもらえる、3)通院をしていて落ち着いた再診の患者さん向けのものだったのですが、コロナ感染拡大を受け、今は電話だけでも可能となり、全ての疾患について初診からのオンライン診療も可能となりました。オンライン診療には保険診療と自費診療があり、守るべきルールとして「オンライン診療の実施に関する指針」というものが出されています。保険診療については、診療報酬の改定が2年に一度行われています。また医療行為ではなく、全額自費の遠隔健康医療相談というものもありますので、医師と患者がオンラインでやり取りする方法には、3つのステージがあるわけです。遠隔健康医療相談というのは、健康相談に対してマニュアル的対応を行うサービスのことであり、チャットでの相談、ビデオ電話での相談などが行われています。
オンライン診療を巡るこれまでの動きを振り返ってみますと、我が国で本格的な遠隔診療が解禁となったのは2015年8月の電話再診からで、当初はどんな疾患についても診療可能だったのですが、2018年3月にオンライン診療の指針が出され、同年4月に診療報酬の改定が行われたことにより、オンライン診療の対象となる疾患が限定されることになりました。それが本年に入り、コロナに対する特例措置として、全ての疾患について初診からのオンライン診療が認められ、再診も、全ての疾患について認められることとなりました。
■デジタルヘルスで知っておきたいトピック
<オンライン診療の規制改革を巡る動向>
厚生労働省がまとめたデータによると、コロナ禍の特例措置として解禁されたオンラインによる初診が始まった本年4月以降の初診での電話等診療の実施件数は、4月が5,300件、5月が9,700件、6月が5,700件、内訳は電話による診療が6割前後、オンライン診療が2~3割という状況です。
オンライン診療の規制改革を巡る最近の動向としては、10月8日に田村厚労大臣、河野行革担当大臣、平井デジタル改革担当大臣の3大臣が会談し、オンライン診療を初診も含め原則解禁することで合意し、恒久化に向けた動きが加速することになりました。10月26日には、菅総理が所信演説で「オンライン診療の恒久化」を表明。日本医師会は「安全性と信頼性が大事。かかりつけ医を基軸に」「受信歴・情報提供なしの新患は不可」などの注文を付けています。一方、全国保険医団体連合会、日本病院会は「恒久化に反対」を表明、日本プライマリケア学会は「全くの初診はリスク」と指摘するなど、活発な議論が始まっており、田村厚労大臣は、年内には一定の方向性を出したいと発言しています。初診については「かかりつけ医」というのがキーワードになっていくのではないかと見られています。
<PHR(パーソナルヘルスレコード)について>
PHRというのは、健康診断/特定検診の情報(血液データ、尿、胸部レントゲンなど)、血圧、脈拍、体重、歩数、病院での診察記録、医療用画像、薬の処方データ、手術歴など、個人の健康・医療・介護に関する情報を自分自身で管理・活用することで、自分の健康状態にあったサービスを受けられる仕組みのことです。
PHRで自分の健康情報を管理することで、健康増進や行動変容のきっかけ、医療機関との相談のきっかけにもなっていくと考えられています。これが大きく変わるのは、2021年3月から、「オンライン資格確認」が導入されることになり、マイナンバーカードで、まずは特定検診の情報についてマイナポータルとの連携が始まります。厚生労働省の「デジタルヘルス改革の工程表」によると、特定検診情報に次いで2021年10月からはレセプト記載の薬剤情報、2022年には手術歴、透析、医療機関名等、活用可能情報が拡充され、電子処方箋も2022年に開始されることになっています。これによって、国が管理するデータが、API連携することで普通のアプリから閲覧できるようになります。医療等の情報を全国の医療機関等で確認でき、個人としても健康情報をいつでも確認できるようになる訳です。本年9月には「心電図機能」「脈の不正を通知する機能」を備えたアップルウオッチのアプリが発売されましたが、今後は日常生活の中に医療との接点がだんだんと増えていくのではないかと考えられています。
<医療AIについて>
FDA(米食品医薬局)が、2018年4月、医師の判断なしに画像を診断する機器を認可し、これがAIソフトウエア診断の初の承認となりました。日本では2018年12月以降現在まで、大腸病変をリアルタイムで検出支援、胸部CTで肺結節を識別し肺がん診断を支援、胸部CTでCOVID-19病変を検出など、9つのAI医療機器が承認されています。内閣府のまとめた資料では、問診支援AI、画像診断AI、治療方針支援AI、手術支援AI、看護支援AIなど、診察から治療、通院に至る多くの課程でAIを活用することを視野に入れた、いわば「AIホスピタル」の考え方が示されています。
■2030年に向けて、日本の医療はどうなるか?
海外に目を転じますと、世界のオンライン診療は、Homecareが主流になってきています。具体的にどんなものかと言うと、例えば家庭内に、血圧計や体重計と同じように、耳鏡とか聴診器などがパッケージとして置いてあって、胸に聴診器を当てながら、そのデータを見てオンライン上の医師が診察するというように、対面しているだけでなく他のデータも使いながらオンライン診療が行われるということで、医療機器がネットワーク接続される時代=IoMD(Internet of Medical Device)へと進んでいます。中国では、「無人クリニック」なども既に一部で実稼働しており、AI診断、遠隔診断、遠隔服薬指導、オンライン処方薬販売の組み合わせで、医師が現場にいなくても医療アクセスが可能となり、医師が偏在する地域や過疎地域での活用の可能性が広がっています。
昔は、病気になって病院に行って、初めて医療というものが始まっていたのですが、それが、予防や健康診断、予後の健康管理、リハビリテーションへと広がり、さらにオンライン診療、在宅診療によって 、今後は医療との接点が病院だけでなく社会(日常)でも増えていくことになるでしょう。
国の大きな方向としても、『2040年までに簡便な検査や治療を家庭で行う』と掲げられており、それに向けた研究開発が進められていますが、テクノロジーの進歩は指数関数的ですので、臨床医師としての私の感覚では、2030年くらいには、本当に必要な人だけしか通院しないような、そんな未来になっているのではないかと思います。例えば手術などでリアルな処置が必要な人、管理が必要な治療を受ける人などは病院に行く必要がありますが、その他の人は、病院に行かなくても、オンライン上で初診から診察、治療が受けられるようになっているのではないでしょうか。
講演2 「コロナ禍で期待される 世界のデジタルヘルスの取り組み」
吉澤美弥子(Coral Capitalシニアアソシエイト)
■新型コロナによる、米ヘルスケアスタートアップ投資の変化
米国におけるデジタルヘルス領域のスタートアップへの投資総額は、2018年の82億ドルを頭打ちに、2019年は減少していたのですが、2020年はコロナの影響によってQ3時点で94億ドルと過去最高となり、年間では120億ドルに達すると予測されています。Q3までの投資額のうち、最も多く投資を受けた3つの領域は①オンラインフィットネス(12.6億ドル)②研究開発支援(13億200万ドル)③オンライン診療とその周辺機器(20億ドル)となっています。次に、それら3つの領域を具体的に紹介します。
■注目されるスタートアップ、3つの分野
<オンラインフィットネス>
ホームフィットネスデバイスの販売、オンラインでのリアルタイムトレーニングサービスの提供、自宅筋トレ用のスマートフィットネスシステムの提供、室内で行うサイクリングやランニングなどのインタラクティブなトレーニングプログラムの提供など、いずれのスタートアップもコロナ禍の需要で急成長を遂げています。これらのスタートアップに見られる共通の特徴は、高単価なデバイスや設備を最初に購入させることで、その後のサブスク会員の離脱や、他サービスへのスイッチングを防いでいることです。
<研究開発支援>
創薬や臨床試験を支援するライフサイエンス領域の研究開発支援ソリューションは、オンライン診療とその周辺機器に次ぎ、2020年2番目に多く投資されている領域です。AI新薬開発インフラを提供するAI創薬スタートアップ、新たな低分子創薬を行っているAI創薬バイオベンチャーなどが注目され、多くの資金を調達しています。
<オンライン診療とその周辺領域>
2020年4月時点で、米国内では1日当たり平均65,000回のオンライン診療が実施されており、米国全体の遠隔診療実施回数は2020年に10億回以上に到達する見込みです。これまで出されていた2020年1年間のオンライン診療実施回数の予測が3,900万~6,000万回のレンジでしたので、いかに急激に伸びたかがわかります。背景には、米国内でのコロナ感染者が増加し始めた3月上旬以降に政府の対応が進み、オンライン診療を政府が推奨するだけでなく、①地理的制約の解除(州をまたいだ診療を解禁)や、②プライバシーとセキュリティー要件を緩和したことが、特に既存医療機関におけるオンライン診療開始を促したということがあります。また、公的医療保険と民間医療保険により、オンライン診療の保険償還の拡大と、自己負担を免除したことも、オンライン診療の利用を促しました。
オンライン診療に関わるスタートアップの領域としては、オンライン診療プラットフォーム、糖尿病や高血圧、腎臓疾患など疾患に特化した慢性疾患の治療プログラム、既存医療機関向けのオンライン診療ベンダー、在宅検査キット、処方薬のデリバリーなどがあります。在宅検査キットを提供するスタートアップは、自社単独もしくは既存オンライン診療企業と連携することで、オンライン診療サービスも提供しています。オンライン診療の普及に伴い、eファーマシーと呼ばれる処方薬のデリバリーが成長していますが、日本でも今後、オンライン診療が伸びることで、処方箋のやり取りや薬局のデジタル化がどうなっていくのか、注目すべきポイントとなっていくでしょう。
■ポストコロナのデジタルヘルス
コロナにより、3月以降米国内のデジタルヘルス企業は急速に変化していますが、コロナ収束後、長期的にどのように根付くのかに注目が集まっています。主に次の3点が論点になっていくと思われます。
- プラットフォーム競争の激化―疾患に特化したケアプラットフォームや総合オンライン診療サービス、既存薬局のオンライン化など参入が加速し、プラットフォーマー間の競争は激化するでしょう。プラットフォーマーがサービスを拡充していく中で、企業間の買収、他の企業を巻き込んだかなり幅広い垂直統合なども見込まれます。
- データの活用加速―消費者の生活や医療現場にデジタルヘルスソリューションが普及したことで、データの量と質が向上し、活用が進むでしょう。
- 規制の長期的な整備―米国では一時的にスタートアップのソリューションが多数許可されましたが、緩和された規制やセキュリティー要件が、コロナ収束後改めて整備され、これらのサービスが提供できなくなるのではないかということもあり、規制の長期的な動向が注目されます。
講演者によるパネルディスカッション
「コロナ禍で加速する日本のデジタルヘルス
~行政、産業、投資における課題と今後の行方~」
ファシリテーター:前田雄樹(Answers News 編集長)
前田:製薬企業向けメディアの編集長をやっていますので、議論に入る前に、製薬業界におけるデジタルヘルスの取り組み状況についてご紹介します。製薬企業もこの数年、デジタル技術を取り込もうと、外部との提携を加速させています。その結果、元々は「医薬品による治療」がメインの事業だったものが、例えば、「デジタルによる治療」の分野、「デジタルを使った患者支援」の分野、「デジタルを使った予防」の分野、「デジタルを使った診断」の分野ーという具合に事業領域が広がっています。
それでは、お二人に伺います。先ほど米国での事例を多く拝見しましたが、日本で今後デジタルヘルスを加速させるためには何が課題で、どういう解決策があるのでしょうか?
加藤:ビジネスの視点からは、まず日本の皆保険がネックになってくると思います。自己負担3割で初診料が2,000円とか3,000円という中で、新サービスで売り上げがどの程度になるのか、見通しが立たないと新規事業としては立ち上げにくいし、サービスが広がっていきません。
吉澤:米国に比べて日本の場合、健康保険の保険者にファンドとしての意識が無いのが問題だと思っています。米国の健康保険は民間企業のものと公的なもの、両方ありますが、増大する医療費を抑制するためにデジタルヘルスを活用する動きが非常に進んでいます。これに対して日本の健康保険者には、医療費負担を抑制するためにデジタルヘルスを活用しようという動きが起きていないのが最大の課題だと思っていますので、先進的な健康保険者が出てきて欲しいと願っています。
前田:米国のスタートアップのマネタイズ、収益性はどうなっているのでしょうか?
吉澤:米国ではそもそも医療費が非常に高いので、それがオンライン化することで安く出来れば、健康保険の側にもメリットがあります。それでも金額としては日本より高い価格でサービスが提供出来、健康保険がその大半を負担してくれるというのが、米国でのスタートアップのマネタイズの強いところだと思います。
前田:健康保険の話が出ましたが、健康管理の領域は日本では公的な医療保険の外のサービスとなっており、本当にこの分野に誰がお金を払うのかという問題があると思いますが、いかがでしょうか?
加藤:例えば、ある製薬会社の取り組みで、ジムと連携していて、糖尿病で運動療法が必要だという場合、連携しているジムのアプリを医師が推奨するというやり方があります。病院と関係ない領域でのヘルスケアもありますが、やはり医療現場で医師が推奨するヘルスケアサービス、非医療サービスであれば、継続利用で頻度も高くなりますので、興味深い取り組みとして注目しています。
吉澤:日本の場合、自由診療というのは保険診療に比べればまだまだ小さい訳ですが、最近、美容整形外科の躍進に伴って、若者を中心に自費で医療を全額負担することに対する抵抗感が無くなってきているのかなと感じます。また、最近はフィットネスジムに通って、コーチやメンターを付けるというのはメンタルヘルスを予防する狙いがあるのでしょうね。このようにユーザーが健康になるための行動が、医療から外れたソリューションとなっているので、その、違うところに行っている予算を医療に持ってくれば、しっかりお金になると思っています。日本で顕著な占いのサービスも、日本ではメンタルヘルスに行かないからこそ成立するマーケットですね。
前田:本日の大きなテーマがオンライン診療ですが、オンライン診療をプラットフォームとして、今後どのようなビジネスの展開、広がりが考えられるのでしょうか?
加藤:米国でも、プラットフォーム企業はあまり伸びていないというお話がありましたが、やはり、オンライン診療に付随したサービスがないと伸びない。例えば在宅のデジタル機器とか、遠隔の医療相談などの方が市場としては伸びると思います。
吉澤:オンライン診療やウェブサイトをしっかりやるようなクリニックが日本にも出てきて、そこが成長すると、ある意味プラットフォームになるのかなと考えています。もう一つ、米国ではオンライン診療が普及したことで、医者がリアルタイムでいろいろなアルバイトができるようになり、医者の人材紹介、医者のオンデマンド採用プラットフォームが伸びています。日本では勤務医の給与が高くないので、アルバイトの幅が広がることで給与体系が変わるなど、日本の医者の問題の解決にもなるのではないかと期待しています。
参加者との質疑応答
―日本ではオンライン診療に対して医師会からの反発などもあるようですが、米国でのオンライン診療に対するドクター側の反応はいかがですか?
吉澤:当然、対面診療に比べてクオリティーが下がるのではないかという懸念は米国でもあるのですが、それ以上に、医者個人としては働き先が増える、収入が増えるということで、オンライン診療が普及しています。
―オンライン診療で、実際に受診控えが起きるなど、病院の経営に影響があるのでは?
加藤:オンラインの診療報酬は対面に比べて低く、これまでの対面での決められた診療パターンに比べてオンラインでのやり取りに手間取ったりすると、時間当たりのコスパは悪くなります。何よりも日本の医師の平均年齢は50歳、開業医の平均年齢は60歳で、これまでは目の前の患者さんをしっかり診察することで信頼されてきましたので、オンライン診療はなかなか受け入れられない。それを乗り越え、患者さんのことを思ってオンライン診療をやればやるほど売り上げが下がるという課題は残ったままです。
―オンライン診療の一環で、在宅での検査が行われる場合のハードルは、技術的なものでしょうか、それとも規制なのでしょうか?
加藤:医療機器の場合、管理に関する規制がありますので、現状では主なものは一旦病院で購入したものをレンタルで使っていただいています。一方で、医療の現場で使っている機器を、在宅用にもっと小型化できないかなどの話し合いは行われています。
―吉澤さんにご紹介いただいたデジタルヘルスケアの中で、今後日本市場への参入、普及が期待できるものはあったでしょうか?
加藤:オンラインフィットネスは来るでしょうね。臨床研究の支援もあると思います。いいサービスはたくさんあるのですが、問題は、それに対してお金を払ってくれるか、その料金体系で日本でやっていけるのか、です。また、そのまま日本に持ってきても規制に引っかかってしまうものもありますね。例えば、私が紹介した無人診療所は、日本では規制との関係で実現不可能です。
―マイナポータルとの連携で、PHRに注目しているというお話がありましたが、製薬企業にとってはどういう影響があるのでしょうか?
加藤:製薬企業としては、疾患に紐づけたサービスを展開するため、マイナポータルで集めたデータをAPI連携で自社のアプリで見てもらい、そこからいろいろなサービスに結び付けていくというやり方になるのではないでしょうか。ある製薬企業では、社名から製薬を外すと社長が話しているように、薬を主軸とした一本足打法から、疾患領域を絞ったサービス提供に変わっていかざるを得ないでしょうね。
前田:どの製薬企業も、マイナポータルのデータを活用したいというニーズはあると思います。患者さんとのタッチポイントをいかにして増やしていくのかということが大事で、そういう所での活用はあると思います。
―米国では既にパーソナルなヘルケアデータが、デバイスなど、デジタルヘルス領域で連携してつながっているサービスというのはあるのでしょうか?
吉澤:米国ではソーシャルナンバーのようなものを入力しないとサービスを利用できないことが多いです。日本でも様々なオンラインサービスが出てくると思いますが、前提として、利用する際にはマイナンバーを入力するという形にすれば、統合の効果が各サービスで出てくるのではないかと思います。