2019年以降、「働き方改革関連法」に基づいて多くの業種で時間外・休日労働時間の上限規制が実施されてきました。医療業界については5年間の猶予期間が設けられ、2021年に「改正医療法」が成立。3年間の準備期間を経て、いよいよ本年4月1日以降、医師の時間外・休日労働も年960時間以内に制限されます(医療機関の種別によって例外措置あり)。これにより、日々臨床現場で働く医師や医療を利用するわたしたちに、どのような変化がもたらされるのでしょうか? 今回は、「医療業界の2024年問題」をめぐる諸課題と対応について考えます。
Environment
環境とヘルスケア:気候変動がもたらす健康リスクを考える~ヘルスケア産業に求められる対応とは~
近年、気候変動に伴う気温上昇を原因とする健康被害が、急増しています。欧州では昨年、記録的熱波により、6万人を超える死亡者数を記録。アフリカでは、洪水や干ばつといった気候災害の急増に伴い、栄養状態の悪化と感染症の蔓延が懸念されています。日本も例外ではありません。環境省が運用する「熱中症警戒アラート」の発表回数は、毎年上昇を続けており、今年は運用開始以来、初めて1千回を突破。熱中症で救急搬送される人も、後を絶ちません。今回のニュースレターでは、筑波大学体育系名誉教授の本田靖先生に、気候変動がもたらす健康リスクと、私たちが知っておくべき知識、ヘルスケア産業に求められる対応などについてお伺いしました。
環境とヘルスケア:PFASをめぐる動きを知る~ヘルスケア産業は、この問題にいかに向き合うべきか~
PFAS(ピーファス)という物質をご存知ですか? PFASは、人工的につくられた有機フッ素化合物の総称です。水や油をはじき、熱、薬品、紫外線に対して強い耐性を持つことから、撥水剤・乳化剤・消火剤・包装材表面加工など、様々な用途に幅広く活用されています。その一方、高い安定性を持つがゆえに、自然界に放出されるとほとんど分解されることなく残留し続けることから、「永遠の化学物質」とも呼ばれています。PFASの一部について、長期的な体内曝露によりヒトの健康を損なうリスクが高いことが判明しています。近年では米国や欧州を中心に、より厳しい規制を進めようとする動きも加速しています。今回のニュースレターでは、京都大学大学院医学研究科・環境衛生学准教授の原田浩二先生に、PFASに関する基礎知識、PFASをめぐる国内外の動き、ヘルスケア産業に求められるPFASに対する取組みなどについてお伺いしました。【原田先生の略歴は、後掲を参照ください】
グローバルヘルスフォーラムで途上国の保健医療問題を熱く議論
株式会社コスモ・ピーアールは2018年2月22日、東京アメリカンクラブで、米ワシントンの非営利活動法人「マネージメント・サイエンス・フォー・ヘルス」(以下、MSH社)と共催により、「グローバル・ヘルス・フォーラム~グローバルヘルスのフロンティア『アクセス・トゥー・メデイスン』を超えて」を開催しました。医療関係者や製薬業界関係者、研究者、学生、外務省職員など約60人が参加して、開発途上国における医薬品や医療サービスのアクセスの問題をめぐり、活発な議論が行われました。
キーノートスピーカーとして、MSH社の社長兼CEOであるマリアン・ウェントワース氏と、同社の保健医療技術担当シニアディレクターである穂積大陸氏が、世界の低・中所得国における健康問題や医療技術の導入、保健システム、医薬品の安全供給などをテーマに講演。会場からは多くの質問が出て、この問題への関心の高さがうかがわれました。
開発途上国における医薬品やサービスへのアクセスの問題には社会的に大きな関心が向けられ、日本企業の積極的な参加も加速しています。コスモとMSH社では、今後も開発途上国における保健医療問題をテーマとするフォーラムを継続的に開催していく予定です。